産業界におけるカーボンニュートラル研究会
~持続可能なカーボンニュートラルシステムの実現を目指して~
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大阪科学技術センターでは、2020年10月菅首相による宣言以降、日本の企業活動においてもその重要性が急速に増してきたカーボンニュートラルに正しく向き合っていくために、CO₂削減の延長線上ではなく、真のカーボンニュートラルシステムを実現するための技術について、業界横断で課題を共有、対策を議論する研究会を2022年2月に設立しました。まずは、2024年度末までに、カーボンニュートラルをどう捉えればよいのか、日本としてどういう方向性に向かうのかについて、一定の共通認識が得られることを目指して、活動を行っていきます。
直近イベント
=第23回 定例研究会=
「CO2回収と貯留の最新動向とコスト」
日 時 : 2024年12月10日(火) 14:00~17:30
場 所 : 大阪科学技術センター 401会議室 および Zoom によるハイブリッド開催
(司会:会長 大阪大学大学院 工学研究科 教授 小林 英樹 氏)
講演① 「CCS に係る当社の取組と今後の見通し(仮)」
日本CCS調査株式会社 常務取締役 川端 尚志 氏
講演② 「Direct Air Capture(DAC)技術をめぐる動向と展望(仮)」
金沢大学 先端科学・社会共創推進機構 教授 山田 秀尚 氏
講演③ 「BECCSの現状と将来見通し(仮)」
信州大学 繊維学部 教授 高橋 伸英 氏
参加申込受付中
今後の開催予定
=第24回 定例研究会=
「日本版カーボンニュートラルシステムのイメージ」
日 時 : 2025年1月24日(金)* 14:00~17:30
場 所 : 大阪科学技術センター 404会議室 および Zoom によるハイブリッド開催
産業界におけるカーボンニュートラル研究会とは
<背景>
2020年10月の菅首相による2050年カーボンニュートラル宣言により、日本においても低炭素から脱炭素へ舵が切られました。2050年に本当にカーボンニュートラルが実現できるかどうかは別として、人類としてはもはや不可避の課題となっています。
近年のESG投資の流れから、カーボンニュートラルに関しても、積極的な取組み姿勢が投資家から要求されており、カーボンニュートラルを宣言されている企業も多くみられます。ただ、すでに公表されているそれらの多くは、自社の事業活動の中でのGHGの排出をネットでゼロを目指すというもの(スコープ1 or 1 + 2)です。しかし、昨今の製造業においては、上流から廃棄までの製品のライフサイクルでの適合が求められ、これは、個社で責任の持てる範囲を超えていると言えますが、地球温暖化防止という本来の目的を達成する上では必要不可欠です。一方で、カーボンニュートラル宣言という言葉のせいか、何らかの定義のもと、企業などの単位でCO2排出量ネットゼロ(カーボンニュートラル)を達成することをコミットすることが必要条件のように思われがちですが、企業として地球全体のカーボンニュートラルを目指して企業活動を適合させていくこととは必ずしも同一ではありません。特に、各社が個別にスコープ3を含めたネットゼロを実現することは、必要でないばかりか、地球全体のカーボンニュートラルの達成に必要以上の余分なエネルギーを浪費し、全体最適の観点からは本末転倒の結果を招くことになりかねません。これらの状況の中で、本当に地球全体のカーボンニュートラルに適合した事業に変えていくには、自社の事業活動の範囲外でGHG排出の挙動を踏まえたうえで、それを抑制するためにはどのような方策があるのかまで踏み込んで検討し、全体最適のカーボンニュートラルシステムを想定した上で、自社の事業活動に落とし込む必要があります。このような活動は、個社単独で進められるものではなく、業界を横断した知識や知恵を共有化し、人類共通の課題解決に向けた率直な議論を積み重ねていくことが必要であると考えます。
大阪科学技術センター(OSTEC)では、産学官の連携の下、業界横断のこうした取組みに相応しい場を提供できるのではないかと考え、2022年2月に、本研究会を設立しました。<目的>
最終的なカーボンニュートラル社会を実現できるカーボンニュートラルシステムとはどういうものか、それを成立させるための技術オプションは何かを、業界を越えた知見の集約と率直な議論により、明確化・共有することにより、一社では対応できない対策立案に資することを主たる目的とします。
また、課題解決に向けた長期的な技術開発の促進につなげられるよう、業界を超えた技術者人脈を形成することも目的とします。
さらに、製造業を中心とした産業セクターにおいて、製品ライフサイクルを踏まえた、カーボンニュートラルの成立を総合的にとらえ、業界横断でその課題解決を加速することにより、関西および日本の産業の競争力を高め、持続可能な産業の発展につなげていくことを最終目的とします。<全体計画>
1.研究会の目指すべきゴールと想定される課題
会員の皆様が本研究会への参加により得られる成果として期待されていることという意味で、「日本において実現すべきカーボンニュートラルシステムのイメージが共有できており、各会員が自身のカーボンニュートラルに向けた方針を明確化でき、必要なR&D項目が絞り込まれていること」を本研究会の最終的なゴールと考えています。
しかし、カーボンニュートラルシステムは、さまざまなサプライチェーンからなる要素システムが相互に作用しながら形成される超システムであり、最適解を一意に求めるということはできません。※結合型ライフサイクルシステムズ(超システムの例)
要素システム(各製品のライフサイクルシステム)は独立して運用・管理がなされるが、システム間の相互作用は、要素システムでは意図していなかった形で進化・発展していくため、超システム全体の動きを予測し、最適化することは困難である。
小林英樹著「持続可能システムデザイン学」共立出版 (2022) p.248 図8.1より
従って、最適システムの想定 → 構成要素の仕様決定 → R&D課題への落し込みという、通常のR&D計画手法は適用困難ということになります。
そこで、カーボンニュートラルシステム全体における相互作用を意識しつつ、要素システム毎に、最も合理的な最適解を探るしかありませんが、各要素システムごとの進捗にはばらつきが予想され、超システムにおける相互作用も変化するため、ゴールは単一ではなく、ローリングしながら前進させていく必要があります。従って、最終的なゴールは、会員が求める達成度に応じて会員ごとに異なることになると思われ、研究会として統一的な具体的達成度とその時期目標を設定するのは困難です。
2.中間目標とその達成に向けた計画上記のような状況が避けられない一方で、会員の皆様の多くは、できるだけ早い時期に、「カーボンニュートラルをどう捉えればよいのか、日本としてどういう方向性に向かうのかについて、腹に落ちる一定程度の理解を得ること」を求められており、これを2024年度末までに達成することを当面の中間目標として設定しました。
2022年度は、今後どのように展開していくか予測困難なカーボンニュートラルをテーマとするため、まずは情報共有からとにかく始めるということでスタートを切りました。これまで研究会を進めてきた中で、カーボンニュートラルの全体像をとらえるためには、専門外の非常に幅広い分野の知識が必要となることが改めて認識されており、会員間で議論がかみ合っていくためには、一通りの知識の習得と一定の理解レベルへの到達が必要であると考えられます。
そこで、2023年度は、日本版カーボンニュートラルシステムを考える上で必要となる、技術面以外も含めた基礎知識を習得して会員が同じ土俵で議論できる状態を目指します。
そして、2024年度に、具体的な環境条件と重要技術の議論を通じて、日本の進むべき方向性とカーボンニュートラルシステムをイメージできる中間目標の達成(2024年度末)を目指していきます。
<特徴>
1.技術に特化し、自由に議論
- まだ不透明なカーボンニュートラルシステム実現のために必要な技術を幅広く議論するため、最も基本となる技術的フィージビリティ・経済合理性の議論に特化し、参加者が所属の利益代表としてではなく、所属や立場を離れて、自由に議論できる場をめざします。研究会は、公開情報をもとに、non-secrecy ベースで実施します。
- 利害が対立しやすい政策や制度についての議論は極力回避し、研究会として政策提言を行うことは、現時点で想定していません。
2.脱炭素にフォーカス
- 2021年4月に、2030年46%削減目標が打ち出され、これ自体が実現困難な高い目標であり、また、近い将来に期限を切ったものであるため、社会の動きはこちらの目標に引っ張られることになると思われますが、46%削減は低炭素化の範疇であり、本研究会では、あくまで2050年カーボンニュートラルにむけた脱炭素にフォーカスすることとします。
3.長期的な視野の下、時代のニーズに合わせた柔軟な運営
- 必要な技術は短期間で決着がつくことは考えにくく、様々な研究開発の進捗に伴い変遷することが考えられるため、長期的な視野を持ち、短期間に最終結論を求めるのではなく、上記2点を維持しながら、様々な状況変化に応じてその時々のニーズに合わせて具体的なテーマ設定を柔軟に行っていきます。
- また、2050年カーボンニュートラルを実際に担うのは現在の若手世代であることから、グループワークなどを通じて、技術的判断と業界横断的な思考ができる若手人材の育成を行います。
<活動内容>
1.有識者による講演会・見学会(定例研究会)
- 様々な情報を正しく把握し、共有化することを目指し、各業界、学界、政府等の有識者による講演会を年間8回程度開催します。講演会は原則として来場とZOOMのハイブリッドで行います。各回テーマを決めて2,3件の講演と総合討議を行います。参加者間の交流と率直な意見交換を図るため、立食形式の交流会も行います。一部は、先進的な取組みをしておられる事業所の見学会とする場合があります。
- 具体的な共通課題が明確となり、集中的に検討すべき関心の高いテーマが出てきた場合は、分科会を設置することもあります。
2.若手メンバーによるグループワーク
- 若手が率直に意見を交換し、業界を超えた人脈形成にもつなげられる場として、深堀りして調査するテーマを決めてワーキンググループを作り、年4,5回程度会合を持って報告書をまとめ、定例研究会で報告してもらいます。
- 参加者は企業の若手技術者10人程度を想定、学識経験者に主査をお願いし、ご指導いただきます。
3.会員によるポスター発表会(2024年度は開催無し)
- 会員の取組みの理解を深め、会員間の協業のきっかけづくり等の場として、会員が発表するポスター発表会を定例研究会の中で実施します。
4.その他
- 上記のほか、情報提供や研究会の目的に沿った活動を行うとともに、ニーズに合わせた活動内容の見直しは適宜行っていきます。
<体制・運営>
本研究会は、大阪科学技術センター技術開発委員会の下に設置され、会長の指導の下、幹事会が具体的な運営を立案します。
<2023年度運営体制>
会長 小林英樹 大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授
http://www-ssd.mech.eng.osaka-u.ac.jp/index.html
副会長 関根 泰 早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授 / 早稲田大学 研究戦略センター所長
幹事 住友電気工業(幹事長)
地球環境産業技術研究機構、産業技術総合研究所、
大阪ガス、大林組、関西電力、ダイキン工業、大和ハウス工業、日立造船、三菱電機
(今後、研究会に積極的にご参加いただける企業・研究機関に加入していただく可能性があります。)
事務局 大阪科学技術センター 技術振興部
<会員種別>
- 企業会員:本研究会の目的に賛同する企業(法人)。
- 学識会員:本研究会の活動に資する研究を行っている、大学、国研等の有識者。
- オブザーバー:会員ではないが、本研究会との連携が必要な国、地方自治体、その他関係機関。
<会費>
- 企業会員:年額275,000円(消費税込み)、OSTEC賛助会員は220,000円(同)
(人数制限のあるイベント以外は何人でも参加可、飲食費・旅費等は別途徴収)
グループワークの参加費も含まれます。
- 学識会員・オブザーバー:無料(飲食費・旅費等は別途徴収)
会員リスト
<企業会員>(五十音順)
旭化成株式会社
NTN株式会社
ENEOS株式会社
大阪ガス株式会社
大阪ガスケミカル株式会社
株式会社大林組
カナデビア株式会社
川崎重工業株式会社
関西電力株式会社
株式会社クボタ
株式会社栗本鐵工所
株式会社KRI
株式会社神戸製鋼所
堺化学工業株式会社
株式会社島津製作所
住友精化株式会社
住友電気工業株式会社
積水化学工業株式会社
ダイキン工業株式会社
大和ハウス工業株式会社
株式会社竹中工務店
TOYO TIRE株式会社
東洋紡株式会社
トヨタ自動車株式会社
中尾フイルター工業株式会社
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
パナソニック ホールディングス株式会社
株式会社堀場製作所
三菱電機株式会社
村田機械株式会社
栗山 信宏 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 企画本部 標準化オフィサー
小林 英樹 大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授
関根 泰 早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授/ 早稲田大学 研究戦略センター所長
村田 秀則 大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 助教
和田 謙一 公益財団法人 地球環境産業技術研究機構 システム研究グループ 主任研究員
他1名
※2024年6月14日現在
2024年度活動計画
年度テーマ 『日本版カーボンニュートラルシステムとは?』
2024年度は、これまで蓄積してきた知見をベースとして、中間目標である、日本版カーボンニュートラルシステムのイメージの共有を目指して活動を進めます。具体的には、徹底した省エネ・電源の脱炭素化・エネルギー需要の電化・電化困難なプロセスの脱炭素化・残存CO2の除去という対策の基本方針に沿って、重要ポイントなる、日本版カーボンニュートラルシステムにおける電源構成、調整力の持ち方、電化困難なプロセス・非エネルギー用途の脱炭素化、残存CO2の発生源と除去方法等について、その技術的可能性、コスト見通しなどを議論することにより、対策の方向性と技術課題の認識を共有していくことを目指します。
<定例研究会>
・2024年5月~2025年1月に計8回開催、うち1回は、カーボンニュートラルにかかわる設備見学会とします。
・見学会以外の研究会はOSTEC会場とzoomのハイブリッド開催とし、基本的には、各回上記重要ポイントをテーマとして、講演3件程度と総合討議(約3.5時間)で構成しますが、討議では論点を明確にした集中的な議論を行うこととし、最終回でそれらを総合し、グループワークの結果報告も含め、日本版カーボンニュートラルシステムとはどういうものになるのかの総合討論を行う計画です。なお、議論の前提として知識習得・共有が必要な、内外の最新の政策動向のup-dateなどについては、適宜、定例研究会の中で講演を織り込み、情報共有を図っていきます。
・見学会以外の研究会では、終了後、参加者間の交流と率直な意見交換を図るため会場では、立食形式の交流会を開催します。
・現時点での各回の開催時期とテーマの予定は下表のとおりですが、講師の調整等の都合により、変更する場合があります。設備見学会の訪問先については、決定次第ご案内いたします。
5月 第17回「カーボンニュートラルに向けた様々な枠組みと最新政策動向」
6月 第18回「日本の電源構成はどうなるのか?」
7月 第19回「カーボンニュートラル燃料のコストはどうなるか?」
9-10月 第20回「電化困難なプロセスは何が残るか?その時の燃料は何か?」
9-10月 第21回 設備見学会
11月 第22回「炭素原料をどこに求めるか?」
12月 第23回「CO2回収と貯留の最新動向とコスト」
1月 第24回「日本版カーボンニュートラルシステムのイメージ」
<グループワーク>
・各社のカーボンニュートラル実現に資する、業界横断的なシステム的思考ができる若手技術者の育成、および、業界を超えた人脈の形成を目的として、企業でカーボンニュートラルに関連する業務を担当している若手技術者をメンバーとして、2023年度~2024年度の2か年計画の2年目として、日本版カーボンニュートラルシステムのイメージの例示を目指して、小林会長の指導の下、グループワークを行います。
・定例研究会とは別に、年5,6回程度の会合と分担調査によりワークを進め、2024年度末に最終報告を行っていただきます。
・2024年度からの新規参加募集は行いません。※上記の予定は、諸事情により変更することがあります。
2024年度活動実績
2024年5月27日(月)第17回定例研究会を開催しました。
「カーボンニュートラルに向けた様々な枠組みと最新政策動向」
講演① 「グローバルストックテイクの成果とインプリケーション」
(公財)地球環境産業技術研究機構 システム研究グループ 主任研究員 和田 謙一氏
講演② 「成長志向型カーボンプライシング構想の概要と今後の展望について」
経済産業省 環境経済室 室長補佐(総括) 仁平 孝明 氏
講演③ 「日本のエネルギー・気候変動対策の動向 GX2040ビジョンとエネルギー基本計画改定」
(オンラインよりご講演)
(一財)日本エネルギー経済研究所 理事 電力ユニット担任 工藤 拓毅 氏
総合討議
交流会(立食)
2024年6月28日(金)第18回定例研究会
「日本の電源構成はどうなるのか? 」
講演① 「エネルギーシステムインテグレーション
~ CN を実現する電力システムの課題とあるべき姿~」
東京大学 生産技術研究所 特任教授 荻本 和彦 氏
講演② 「再生可能エネルギー導入とシステムコスト 」
電力中央研究所 社会経済研究所 主任研究員 永井 雄宇 氏
講演③ 「秋田港・能代港洋上風力発電事業を通して見た 風力発電の
現状と日本の洋上風力の将来性について」
丸紅洋上風力開発株式会社 運営管理部 部長 竹内 浩 氏
総合討議
交流会(立食)
2024年7月22日(月)第19回定例研究会
「カーボンニュートラル燃料のコストはどうなるか? 」
(司 会 : 副会長 早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授 関根 泰 氏)
講演① 「日本の水素戦略の経緯と、グリーン水素製造技術の現状と課題 」
九州大学 水素材料先端科学研究センター 特任教授 横本克巳 氏
講演② 「水素の製造・輸送技術の概要とそのコスト・炭素集約度の見通し」
(一財)エネルギー総合工学研究所 カーボンニュートラル技術センター
水素エネルギーグループ 部長代理 主管研究員 石本祐樹 氏
講演③ 「MHI 水素・アンモニアガスタービン」
三菱重工業株式会社 ガスタービン技術部 技監・技師長 谷村 聡 氏
総合討議
交流会(立食)
2024年9月13日(金)第20回定例研究会
「電化困難なプロセスは何が残るか?その時の燃料は何か? 」
講演① 「鉄鋼業におけるCO2削減のチャレンジ「製鉄プロセスにおける水素活用」の取り組み」
㈱神戸製鋼所 鉄鋼アルミ事業部門 事業戦略部 GXグループ長 吉田 敦彦 氏
講演② 「EVシフトは幻想だった!進めるべきはHEV、PHEVの拡販とdrop in fuelの早期市場導入」
Touson自動車戦略研究所 代表/愛知工業大学客員教授 藤村 俊夫 氏
講演③ 「中外炉工業の脱炭素化に向けての取り組み」
中外炉工業㈱ 熱処理事業本部 開発部 開発課 係長 田中 亮太郎 氏
総合討議
交流会(立食)
2024年10月11日(金) 第21回定例研究会(設備見学会)
見学先: 三菱重工業株式会社 高砂製作所 (高砂水素パーク)
兵庫県高砂市新井町新浜2-1-1
見学内容:・ガスタービン組立工場
・PRルーム【発電実証設備(第二T地点) / 水素パーク】
・発電実証設備(第二T地点)
・総合研究所
参加者 20名
2024年11月19日(火)第22回 定例研究会
「炭素原料をどこに求めるか?」
(司会:副会長 早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授 関根 泰 氏)
講演① 「持続可能な航空燃料(SAF)の現状と将来」
一般財団法人カーボンニュートラル燃料技術センター 調査国際部 主任研究員 原 浩昭 氏
講演②「バイオエタノールの現状と将来」
住友商事株式会社 グリーンケミカルSBU 企画戦略チーム長 北詰 俊介 氏
講演③「藻類によるバイオものづくりの現状と将来」
神戸大学 先端バイオ工学研究センター センター長 教授 蓮沼 誠久 氏
総合討議
交流会(立食)
2023年度活動実績
2022年度の活動を通じて、カーボンニュートラルの全体像をとらえるためには、専門外の非常に幅広い分野の知識が必要となることが改めて認識され、会員間で議論がかみ合っていくためには、一通りの知識の習得と一定の理解レベルへの到達が必要であると考えられたため、2023年度は、中間目標に向けて日本版カーボンニュートラルシステムを議論する上で必要となる、技術面以外も含めた基礎知識を習得して会員が同じ土俵で議論できる状態を目指して活動を進めました。
定例研究会では、政策動向のほか、排出量の評価方法やクレジット、ファイナンスの動きなど、技術とは直接関係はないが、企業行動に大きな影響を与える要因について基礎的な知識を共有したうえで、2022年度に取り上げられなかった業界の取組や現に社会実装されている資源循環の視点の共有を行い、再エネをはじめとする技術の最新動向について整理しました。毎回2022年度を上回る参加者が集まり、引き続き活発な議論が交わされ、昨年度と同様、異業種間でのホンネの議論を行える場として、高い評価を得ています。一方で、知識は着実に蓄積されていると思われますが、やはり、専門外の話題についての参加者の理解度は高いとは言えず、さらなる工夫が必要との認識です。なお、2023年度から設備見学会を開催することしましたが、スケジュールの都合上、他の研究会と合同で急遽の開催となったにもかかわらず定員を上回る応募があり、大変好評でした。
2023年度は、会員からの提案で、会員によるポスター発表会を開催しました。各社事業分野が多岐に亘り、技術分野もバラバラという状況の中、積極的な発表をいただき、来場参加者も多く、参加者からは好評で、各社の取組みの相互理解と会員間の交流の促進という所期の目的は果たされたと評価しています。ただし、やはり異分野の参加者への発表という難しさもあり、今回の発表者の次回以降の発表意向があまり強くないことから、2024年度は開催を見送ることとします。一方で、コロナ禍の終息と共に年度最初から立食形式の交流会を毎回開催し、会員間や講師との個別の交流を図ることができて、好評でした。本研究会はコロナ禍の真只中でハイブリッドがデフォルトでのスタートとなりましたが、情報共有と人脈形成のため、今後交流会の参加者が増えることを期待します。
また、各社のカーボンニュートラル実現に資する、業界横断的なシステム的思考ができる若手技術者の育成、および、業界を超えた人脈の形成を目的として、企業でカーボンニュートラルに関連する業務を担当している若手技術者をメンバーとして、2023年度~2024年度の2か年計画で、グループワークを開始しました。17社からメンバーが参加し、日本版カーボンニュートラルシステムのイメージの例示という難易度の高い課題に対して、小林会長の指導の下、考え方の習得や要素技術調査をしたうえで、議論を開始しました。時間的な制約がある中で自主的に取り組み、第16回定例研究会で中間報告を行い、中身はともかくも、取組みについては高い評価が得られ、また、日本版カーボンニュートラルシステムをどう考えていくのかについての議論の取っ掛かりになったと考えられ、2024年のアウトプットを目指して、引き続き活動を続けていきます。
2023年5月22日(月) 第9回定例研究会
「カーボンニュートラルに向けた様々な枠組みと最新政策動向」
・講演①「欧州でのカーボンニュートラルに向けた戦略と政策動向」
(一財)日本エネルギー経済研究所 戦略ユニット 国際情勢分析第1グループ 主任研究員 下郡 けい 氏
・講演②「IPCC第6次評価報告書と世界の動向」
(公財)地球環境産業技術研究機構 システム研究グループ 主任研究員 和田 謙一 氏
・講演③「日本のエネルギー・気候変動政策の動向 GX推進法の概要と位置づけ」
(一財)日本エネルギー経済研究所 理事 電力・新エネルギーユニット担任 工藤 拓毅 氏
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 146名(来場+Zoom)
2023年6月29日(木) 第10回定例研究会
「CO2排出量削減の評価方法・認証の現状と課題」
・講演①「ライフサイクルアセスメント(LCA)の基礎と動向」
一般社団法人 日本LCA推進機構 理事長 稲葉 敦 氏
・講演②「カーボンクレジットの動向」
日本エネルギー経済研究所 環境ユニット 小松 潔 氏
・講演③「バリューチェーン全体の取組とSBT認定」
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 脱炭素ビジネス推進室長 平尾 禎秀 氏
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 173名(来場+Zoom)
2023年7月10日(月) 第11回定例研究会
「日本における再生可能エネルギーのポテンシャルと動向」
・講演①「風力発電の国際動向と日本の課題」
京都大学大学院 経済学研究科
再生可能エネルギー経済学講座 特任教授 安田 陽 氏
・講演②「太陽光発電システム技術の最新動向」
産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター
太陽光システムチーム長 大関 崇 氏
・講演③「日本におけるバイオマス利活用の現状と今後について」
日本有機資源協会 事務局長 嶋本 浩治 氏
・総合討議
・交流会(飲食提供なし)
参加者 142名(来場+Zoom)
2023年8月29日(火) 第12回定例研究会
設備見学会 (OSTECスマートエネルギー・スマートコミュニティ研究会と合同開催)
大崎クールジェン株式会社(広島県豊田郡大崎上島町中野6208-1) (https://www.osaki-coolgen.jp)
・OCG映像視聴
・概況説明「大崎クールジェンプロジェクトについて」
大崎クールジェン株式会社 取締役 総務企画部長 笹尾 直紀 氏
・現場見学・記念写真撮影
・質疑応答
参加者 17名(CN研究会会員;総勢30名=定員)
2023年10月5日(木) 第13回定例研究会
「資源循環とカーボンニュートラルに向けた産業界の取組み」
・講演①「製紙産業のカーボンニュートラルに向けた取組み」
日本製紙連合会 常務理事 河崎 雅行 氏
・講演②「サントリーのカーボンニュートラルに向けた取り組み」
サントリーホールディングス株式会社 サステナビリティ経営推進本部
サステナビリティ推進部 部長 西脇 義記 氏
・講演③「エフピコ方式のリサイクル ~トレーtoトレー ボトルto透明容器~」
株式会社エフピコ サステナビリティ推進室 コミュニケーション推進課
チーフマネージャー 新矢 恭三 氏
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 91名(来場+Zoom)
2023年10月24日(火)第14回定例研究会(ポスター発表会併催)
「カーボンニュートラルに向けた産業界の取組み」
・講演① 「パナソニックグループ サステナビリティ経営の考え方と取り組み」
パナソニックHD(株)技術部門 プラットフォーム本部 GX戦略室長 徳永 亮平 氏
・講演② 「データ流通によって支えるカーボンニュートラルへの道筋
(ITを活用したエネルギーデジタルツインの取り組み)」
(株)NTTデータ テレコム・ユーティリティ事業本部ユーティリティ事業部
グリーンエネルギービジネス推進室 ビジネス戦略推進担当 課長代理 永山 誠 氏
・会員によるポスター発表(11社13件)
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 103名(来場+Zoom)
2023年12月22日(金) 第15回定例研究会
「カーボンニュートラルに関するR&D動向」
講演① 「グリーンイノベーション基金事業における取り組みについて」
NEDO グリーンイノベーション基金事業統括室 主査 木場 篤彦 氏
講演② 「三菱重工グループのカーボンニュートラルに向けた取組み」
三菱重工業(株) カーボンニュートラル推進室 室長 森原 雅幸 氏
講演③ 「カーボンリサイクルの全体像と技術課題」
早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授 関根 泰 氏
・総合討議
・交流会(立食)
参加者 110名(来場+Zoom)
2024年1月24日(金)第16回定例研究会
「カーボンニュートラルに向けたファイナンスの動きと日本版カーボンニュートラルシステムの論点」
講演① 「カーボンニュートラル~金融の視点から」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) フェロー 吉高 まり 氏