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2023年度活動実績
2022年度の活動を通じて、カーボンニュートラルの全体像をとらえるためには、専門外の非常に幅広い分野の知識が必要となることが改めて認識され、会員間で議論がかみ合っていくためには、一通りの知識の習得と一定の理解レベルへの到達が必要であると考えられたため、2023年度は、中間目標に向けて日本版カーボンニュートラルシステムを議論する上で必要となる、技術面以外も含めた基礎知識を習得して会員が同じ土俵で議論できる状態を目指して活動を進めました。
定例研究会では、政策動向のほか、排出量の評価方法やクレジット、ファイナンスの動きなど、技術とは直接関係はないが、企業行動に大きな影響を与える要因について基礎的な知識を共有したうえで、2022年度に取り上げられなかった業界の取組や現に社会実装されている資源循環の視点の共有を行い、再エネをはじめとする技術の最新動向について整理しました。毎回2022年度を上回る参加者が集まり、引き続き活発な議論が交わされ、昨年度と同様、異業種間でのホンネの議論を行える場として、高い評価を得ています。一方で、知識は着実に蓄積されていると思われますが、やはり、専門外の話題についての参加者の理解度は高いとは言えず、さらなる工夫が必要との認識です。なお、2023年度から設備見学会を開催することしましたが、スケジュールの都合上、他の研究会と合同で急遽の開催となったにもかかわらず定員を上回る応募があり、大変好評でした。
2023年度は、会員からの提案で、会員によるポスター発表会を開催しました。各社事業分野が多岐に亘り、技術分野もバラバラという状況の中、積極的な発表をいただき、来場参加者も多く、参加者からは好評で、各社の取組みの相互理解と会員間の交流の促進という所期の目的は果たされたと評価しています。ただし、やはり異分野の参加者への発表という難しさもあり、今回の発表者の次回以降の発表意向があまり強くないことから、2024年度は開催を見送ることとします。一方で、コロナ禍の終息と共に年度最初から立食形式の交流会を毎回開催し、会員間や講師との個別の交流を図ることができて、好評でした。本研究会はコロナ禍の真只中でハイブリッドがデフォルトでのスタートとなりましたが、情報共有と人脈形成のため、今後交流会の参加者が増えることを期待します。
また、各社のカーボンニュートラル実現に資する、業界横断的なシステム的思考ができる若手技術者の育成、および、業界を超えた人脈の形成を目的として、企業でカーボンニュートラルに関連する業務を担当している若手技術者をメンバーとして、2023年度~2024年度の2か年計画で、グループワークを開始しました。17社からメンバーが参加し、日本版カーボンニュートラルシステムのイメージの例示という難易度の高い課題に対して、小林会長の指導の下、考え方の習得や要素技術調査をしたうえで、議論を開始しました。時間的な制約がある中で自主的に取り組み、第16回定例研究会で中間報告を行い、中身はともかくも、取組みについては高い評価が得られ、また、日本版カーボンニュートラルシステムをどう考えていくのかについての議論の取っ掛かりになったと考えられ、2024年のアウトプットを目指して、引き続き活動を続けていきます。
2023年5月22日(月) 第9回定例研究会
「カーボンニュートラルに向けた様々な枠組みと最新政策動向」
・講演①「欧州でのカーボンニュートラルに向けた戦略と政策動向」
(一財)日本エネルギー経済研究所 戦略ユニット 国際情勢分析第1グループ 主任研究員 下郡 けい 氏
・講演②「IPCC第6次評価報告書と世界の動向」
(公財)地球環境産業技術研究機構 システム研究グループ 主任研究員 和田 謙一 氏
・講演③「日本のエネルギー・気候変動政策の動向 GX推進法の概要と位置づけ」
(一財)日本エネルギー経済研究所 理事 電力・新エネルギーユニット担任 工藤 拓毅 氏
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 146名(来場+Zoom)
2023年6月29日(木) 第10回定例研究会
「CO2排出量削減の評価方法・認証の現状と課題」
・講演①「ライフサイクルアセスメント(LCA)の基礎と動向」
一般社団法人 日本LCA推進機構 理事長 稲葉 敦 氏
・講演②「カーボンクレジットの動向」
日本エネルギー経済研究所 環境ユニット 小松 潔 氏
・講演③「バリューチェーン全体の取組とSBT認定」
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 脱炭素ビジネス推進室長 平尾 禎秀 氏
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 173名(来場+Zoom)
2023年7月10日(月) 第11回定例研究会
「日本における再生可能エネルギーのポテンシャルと動向」
・講演①「風力発電の国際動向と日本の課題」
京都大学大学院 経済学研究科
再生可能エネルギー経済学講座 特任教授 安田 陽 氏
・講演②「太陽光発電システム技術の最新動向」
産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター
太陽光システムチーム長 大関 崇 氏
・講演③「日本におけるバイオマス利活用の現状と今後について」
日本有機資源協会 事務局長 嶋本 浩治 氏
・総合討議
・交流会(飲食提供なし)
参加者 142名(来場+Zoom)
2023年8月29日(火) 第12回定例研究会
設備見学会 (OSTECスマートエネルギー・スマートコミュニティ研究会と合同開催)
大崎クールジェン株式会社(広島県豊田郡大崎上島町中野6208-1) (https://www.osaki-coolgen.jp)
・OCG映像視聴
・概況説明「大崎クールジェンプロジェクトについて」
大崎クールジェン株式会社 取締役 総務企画部長 笹尾 直紀 氏
・現場見学・記念写真撮影
・質疑応答
参加者 17名(CN研究会会員;総勢30名=定員)
2023年10月5日(木) 第13回定例研究会
「資源循環とカーボンニュートラルに向けた産業界の取組み」
・講演①「製紙産業のカーボンニュートラルに向けた取組み」
日本製紙連合会 常務理事 河崎 雅行 氏
・講演②「サントリーのカーボンニュートラルに向けた取り組み」
サントリーホールディングス株式会社 サステナビリティ経営推進本部
サステナビリティ推進部 部長 西脇 義記 氏
・講演③「エフピコ方式のリサイクル ~トレーtoトレー ボトルto透明容器~」
株式会社エフピコ サステナビリティ推進室 コミュニケーション推進課
チーフマネージャー 新矢 恭三 氏
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 91名(来場+Zoom)
2023年10月24日(火)第14回定例研究会(ポスター発表会併催)
「カーボンニュートラルに向けた産業界の取組み」
・講演① 「パナソニックグループ サステナビリティ経営の考え方と取り組み」
パナソニックHD(株)技術部門 プラットフォーム本部 GX戦略室長 徳永 亮平 氏
・講演② 「データ流通によって支えるカーボンニュートラルへの道筋
(ITを活用したエネルギーデジタルツインの取り組み)」
(株)NTTデータ テレコム・ユーティリティ事業本部ユーティリティ事業部
グリーンエネルギービジネス推進室 ビジネス戦略推進担当 課長代理 永山 誠 氏
・会員によるポスター発表(11社13件)
・総合討議
・交流会(立食形式)
参加者 103名(来場+Zoom)
2023年12月22日(金) 第15回定例研究会
「カーボンニュートラルに関するR&D動向」
講演① 「グリーンイノベーション基金事業における取り組みについて」
NEDO グリーンイノベーション基金事業統括室 主査 木場 篤彦 氏
講演② 「三菱重工グループのカーボンニュートラルに向けた取組み」
三菱重工業(株) カーボンニュートラル推進室 室長 森原 雅幸 氏
講演③ 「カーボンリサイクルの全体像と技術課題」
早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授 関根 泰 氏
・総合討議
・交流会(立食)
参加者 110名(来場+Zoom)
2024年1月24日(金)第16回定例研究会
「カーボンニュートラルに向けたファイナンスの動きと日本版カーボンニュートラルシステムの論点」
講演① 「カーボンニュートラル~金融の視点から」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) フェロー 吉高 まり 氏
講演② 「日本版カーボンニュートラルシステム構築に向けた工学的アプローチ」
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授 小林 英樹 氏 (本研究会会長)
グループワーク中間報告
グループワークメンバー
論点提示「日本版カーボンニュートラルシステムの論点整理と来年度計画」
大阪科学技術センター 常務理事 技術振興部長 田畑 健 (本研究会事務局)
総合討議
交流会(立食)
参加者 93名(来場+Zoom)